« 渋谷はひどいな | トップページ | 『傍迷惑な人々―サーバー短篇集』 »

2018年6月 9日 (土)

『きみのためのバラ』

 新潮文庫 池澤夏樹

 

 今まで読んでよかったな、と思えた本の記録。その1。

 あるとき「もう読みたい本はないな」と思ってしまった。読書量が
多くて、
何千、何万冊を読んだ、というわけではない。むしろ読書
が趣味というには少ない量しか読んでいないだろう。どうも選り
好みが激しいらしく、手に取ってパラパラと見て「あ、読んでみた
い」という本がそもそも少ないのである。何が問題なのかというと、
たぶん文章で、自分にとって読みやすいかどうか、というのが重
要なようである。もちろん内容も、関心を持てるものでなくてはな
らない。読みやすいだけでいいなら、子供向けを手に
すればいい
わけで。くわえて、殺人や死亡事故とか手術とかが具体的に詳細
に書かれているものは苦手だし、馴染みのない用語が飛び交う
SFも好みではない。さらに、話題の本だから読んでみようという
こともまったくなく、むしろ流行りの本は手にしたくないタチなので、
読書の対象となる範囲はどんどん狭まってしまったのである。しか
し、やっかいなことに本は読みたいのだ。大量にではないにしろ。

 

 で、困ったな、と思ったときに池澤夏樹を思い出した。ここ数年は
読んでなかったが、『スティル・ライフ』 (中公文庫)や『夏の朝の成
層圏
』 (中公
文庫) 、『南の島のティオ』 (文春文庫) 、『マシアス・
ギリの失脚
』 (新潮文庫)などは好きだった。で、検索してみると
きみのためのバラ』という短編集が出ていたので購入してみた。
やっぱり小説はいいなという感想を持った。短編集を中心にさがし
て、もっと本を読んでみようと思えたのである。大げさに言えば、こ
の本は私の読書人生の救世主になったのである。
 池澤氏がこういう短編をもっと書いてくれたら、とてもうれしい
のだが。

 

 これが7、8年前のこと。

 

 内容は
「都市生活」「レギャンの花嫁」「連夜」「レシタションのはじまり」
「ヘルシンキ」「人生の広場」「20マイル四方で唯一のコーヒー豆」
「きみのためのバラ」 
 の8編。

« 渋谷はひどいな | トップページ | 『傍迷惑な人々―サーバー短篇集』 »

読書」カテゴリの記事

2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ