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2014年10月 1日 (水)

几帳面

 ちょくちょく行っていたチェーンのコーヒーショップに久しぶりに入った。

 以前と同じように、いちばん奥のテーブル席に座る。

 奥のテーブルは5つ並んでいて、コーヒーや食べ物を注文するカウンターとの間には大きなテーブルもある。

 大きなテーブルは半円形で、直径部分は壁になっている。周の部分にはイスが6つ。

 アタシが着席したときには、半円テーブルには誰もいなかった。

 ほどなく、おじさんがあらわれた。見覚えのあるおじさんだ。

 運んできたアイスコーヒーを半円テーブルに置き、6つすべてのイスの位置を少しずつ変えた。

 それから再びアイスコーヒーを手に持ち、半円テーブルの端、つまり壁際に座った。

 

 そうそう、このおじさんだ。このおじさんがイスの位置を直すのを、この店で何度も見たことがあるのだ。

 「直す」と書いては見たものの、おじさんなりの「あるべきイスの位置」がどういうものなのか、これはよくわかっていなかった。

 が、この日ようやくわかった。

 

 注文した食べ物ができあがり、それを取りにおじさんは再び立ち上がったのだ。

 その戻り道、おじさんはイスの位置の微調整を行なった。

 どうやらおじさんはイスを等間隔にしたいようにアタシには見えた。たぶん、それがおじさんのルールなのだろう。

 

 席に戻ってきたおじさんは、何度も腰を浮かせて座るべき位置を確認し、7回目か8回目でようやく落ち着いた。

 おじさんがコーヒーを飲み始めると、何人かの客が次々に半円テーブルに席をとった。

 

 どういうわけか、後から来た客は「等間隔」を大きく破壊することなく行儀よく座っていた。

 まるで誰もがおじさんのルールを知っているかのようだった。

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